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米食品大手タイソン・フーズは、カザフスタンに牛肉加工施設を新設することを検討しているもようだ。中国が米国産牛肉に課す高関税を避ける狙いで、投資総額は数十億ドルに達する可能性もある。カザフスタンは近年、投資の誘致に向け、自国を中国市場への玄関口に位置する農業大国としてアピールしている。消息筋の話を元に、フィナンシャルタイムズが23日伝えた。
タイソンは既に同国政府と投資に向けた協議を開始。まず、2億ドルを投じて牛肉加工施設を新設し、最終的には数十億ドルを投じて年産500万トンに拡大する計画という。タイソンは、担当者がカザフを訪問したことを認めた上で、「同国の食品生産への取り組みに関心を持っているが、現地プロジェクトはまだ正式に決まっていない」とコメントしている。
米国は世界最大の牛肉生産国だが、米中貿易戦争のあおりを受け、中国への牛肉輸出額は今年第1四半期(1~3月)に前年同期比17%落ち込んでいる。中国は米国産牛肉に25%の追加関税を課しており、関税率は計37%に達している。
カザフスタン政府は昨年、米農業省の協力を得て、牛肉と子羊肉の生産量を10年以内に倍増する計画を打ち出していた。同国は国土が広く、中国やインド、欧州に近い好立地のため、農・畜産物の主要輸出国として有望視されている。ただ、生産効率の改善が課題で、農畜産技術の近代化に向けた投資を必要としている。


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